1982年、スティーブン・キングの原作とジョージ・A・ロメロ監督という豪華タッグによって誕生したホラーアンソロジー「Creepshow」。まるで古い漫画誌を彷彿とさせる、独特のビジュアルスタイルと、シュールでブラックなユーモアが炸裂する作品は、ホラー映画史に強烈な印象を残しました。
あらすじ:五つの恐怖物語
「Creepshow」は、子供たちがホラー雑誌を読み漁る場面から始まります。その雑誌の内容は現実へと反映され、五つの短編ホラーが展開されていきます。
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「The Crate」: 19世紀に作られた謎の箱が大学に持ち込まれる。箱の中からは恐ろしい怪物が出現し、大学の職員たちは恐怖に怯えます。
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「The Lonesome Death of Jordy Verrill」: 隕石が庭に落ちたことに喜んだ農夫ジョーディは、その中に隠された宇宙の秘密に触れてしまい、悲劇的な結末を迎えることになります。
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「Something to Tide You Over」: 溺死した娘を蘇らせるために、父親が voodoo の力を使用する物語。しかし、蘇った娘は人間ではなく、恐ろしい存在へと変貌してしまいます。
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「The Hitch-Hiker」: 旅行中に謎のヒッチハイカーに出会った女性は、その男が自分の夫の亡霊だと気づく。恐怖に震えながらも、彼女は彼の執拗な追跡から逃れようと必死に抵抗します。
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「They’re Creeping Up On You!": 大量のゴキブリに襲われる恐怖を描いた物語。このエピソードは、人間の文明と自然の対立を皮肉っぽく描き出すことで、観る者を不安にさせます。
登場人物たち:個性的なキャラクターたちの魅力
「Creepshow」には、個性的なキャラクターたちが数多く登場します。「The Crate」では、怪物との戦いに巻き込まれる大学の職員たちの緊張感が描かれています。「The Lonesome Death of Jordy Verrill」では、宇宙の秘密に手を出したことで悲劇に繋がる農夫ジョーディの姿が印象的です。また、「Something to Tide You Over」では、娘を蘇らせようと Voodoo の力を使う父親の狂気が描かれ、観る者を恐怖に駆り立てます。
スティーブン・キングとジョージ・A・ロメロ:異色のタッグ
「Creepshow」は、ホラー小説の巨匠スティーブン・キングと、ゾンビ映画の大家として知られるジョージ・A・ロメロという、異色のコンビがタッグを組んで制作されました。キングの独特の世界観と、ロメロの生々しい映像表現が見事に融合し、観客に強烈な衝撃を与えます。
監督 | 脚本 | 原作 |
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ジョージ・A・ロメロ | スティーブン・キング | スティーブン・キング |
映像美:鮮やかな色彩とコミカルな演出
「Creepshow」の最大の特徴は、その独特なビジュアルスタイルです。まるで古いホラー漫画をアニメ化したかのような、鮮やかでコミカルな映像表現が印象的です。また、各エピソードには、タイトルカードに描かれたイラストによって、その物語の世界観が暗示されています。
テーマ:人間の本質と恐怖
「Creepshow」は、一見すると単純なホラー映画に見えますが、実は人間の欲やエゴ、狂気といった、人間の暗い側面を描いた作品でもあります。「The Crate」では、科学の進歩によって引き起こされる危険性、「The Lonesome Death of Jordy Verrill」では、欲望が引き起こす悲劇、「Something to Tide You Over」では、親の愛と狂気の境界線を描いています。
音楽:映画を彩るサウンドトラック
「Creepshow」の音楽は、ジョン・カーペンターが担当しました。カーペンターらしいシンセサイザーサウンドが、ホラー映画の雰囲気を高めています。特に、各エピソードのタイトルカードに流れるテーマ曲は、忘れられない印象を与えます。
まとめ:懐かしき傑作を再体験!
「Creepshow」は、1982年に公開されたホラーアンソロジー映画です。スティーブン・キングの原作とジョージ・A・ロメロ監督という豪華タッグによって誕生した、独特のビジュアルスタイルとブラックユーモアが炸裂する傑作です。五つの短編ホラーは、人間の欲望やエゴといった暗い側面を描いており、観る者に深い印象を残します。懐かしき傑作「Creepshow」を、ぜひ再体験してみてください!